昨日は、先週5日間続けて質疑を行った2019年度の決算審査について、各会派から賛否の意見表明と委員会での採決が行われました。
日本共産党は、一般会計・特別会計と、病院事業会計には「反対」、水道事業会計には「賛成」
他会派は、一会派だけ病院会計に反対ありましたが・・・他は全て賛成、採決の結果、全ての決算が認定となりました。
以下、私が表明した意見で、ちょっとたいへん長くて、読んでいただくには恐縮ですが・・・
日本共産党泉大津市会議員団の見解として、掲載しました。
日本共産党の森下いわおです。2019年度の決算審査を通じて、総括的な意見を申し上げます。
まず、認定第1号一般会計特別会計についてです。
2019年度は、この前年の台風21号による多大な被害からの災害復旧の事業がこの年度にも進められ、職員のみなさんの発災後からの奮闘努力に感謝申し上げます。今後も災害に備えた対策として、また今般のコロナ感染症対策を踏まえた備蓄計画の再考、避難行動要支援者の名簿作成に留まらない個別支援計画策定については具体的な提案をさせて頂きました。
私が議員となったのは2011年、1年目から中学校給食の実現を求めて来ました。当時は全く賛同を得られなかったですが、デリバリー方式とは言え全員喫食での中学校給食が、課題もまだありますが実現したことは大きな前進でした。
これも要望してきた点ですが、聴覚に障害のある方はこれまでファックスでしかできなかった救急通報が、スマホさえあればどこからでも通報できて場所も分かるNET119の運用がはじまり、登録や今後の取り組みを確認させて頂きました。
性的マイノリティの方への配慮として、2015年から繰り返し求め、具体的な改善が見られなかった各種申請書類の見直しは、改善に向けての方向が示されました。そこに留まらない改善、ジェンダー平等社会への取り組みを進めて頂きますよう期待をしております。
一方で市民の暮らしの実態や願いにどう応え取り組まれてきたのかという点では多くの残念なこともあり審議の中で述べさせていただきました。
市民の安心安全に寄与するセーフコミュニティ活動では、再認証を目指さないばかりか、取り組みそのものが縮小されているのか庁内の体制も脆弱になっています。
データや根拠に基づく対策で安心安全な取り組みを進めていくということが充分に取り組んでいけるのか疑問であり、体制、取り組みの強化を求めました。
国が推進する施策として行われたプレミアム商品券、多額の経費をかけてどれだけの効果があったのか?同様に証明書等コンビニ交付も便利になった人もいますが、約3889万円という多額の構築費用をかけ、今後も大きな経常経費もかけても恩恵を受けられるのはマイナンバーカードの普及が22%程度しかなく、全体の交付枚数からすればわずかです。この事業実施と同時に平日に市役所に来ることが出来ない人への日曜日の交付が廃止されました。しかし、マイナンバーカードの交付の為には日曜日も開庁して対応しているのとは対照的で、マイナンバーカードを持っていない市民には冷たいやり方です。
市民会館の代替え施設としているテクスピア大阪の同じ市民でも料金格差がある問題、一階の大ホールは車いすのスペースもないバリアフリーでない状況の改善についても合わせて改善を求めました。
共働きの子育て世帯にとって重要な保育所こども園で、待機児童がこれまで最多の状況は極めて重大な事態であり、その最大の要因である保育士不足を理由にして、今後の幼稚園、保育所を統合し民間への移管を進めようという再編整備計画が進められていることも大きな問題です。公立の園所は、様々な支援を必要とするすべての子どもとってかけがえのない施設であり、単にコスト論で将来の施設整備を図るべきではなく、ましてやこれだけの待機児童がいる状況は公の責任で解消しなければならない問題です。保育士確保、待機児童解消にまず全力で取り組むべきです。
就学後の留守家庭児童会の環境整備は施設面だけでなく、平日夕方の開設時間が6時までしかないことも他市から大きく遅れた状況であり、7時までの時間延長は切実な要求だと繰り返し求めています。保育所待機児童増加と学童保育の遅れた状況は、確実に就学前の子育て世代の流出を招いています。このことに真正面から取り組んで、改善に取り組まなければ、本市の将来にとって大きな影響を及ぼしていくことになります。合わせて子どもに関わる事業で申し上げた病後児体調不良児保育事業の改善や子どもの居場所づくり、学習支援の場など、必要としている子どもや家庭にしっかりと届き、活用ができ、活かされるようお願いします。
生活困窮者自立支援事業、市民生活応援窓口の昨年度の状況から、今年度コロナ感染症により、かなりの相談が増え、各種支援策の要件が広がったこともあり、多くの活用があることを確認しました。給付金などで一時的にしのいできた人も、今後ますます厳しい状況が予想され、各窓口での親切で丁寧な市民の立場にたった相談、とりわけ税や保険料の滞納や納付に遅れがある人たちには、困った時に相談できる窓口があるという個別の案内や分かりやすく探しやすいホームページの改善を求めました。
教育の分野では小中一貫教育が推進されています。職員の意識向上が図られ、カリキュラムの策定中とされていますが、施設分離型とはいえ、今の段階においても保護者への説明もなく、ましてや子どもたちのコロナ禍における実態に応じた対応ができるのか?現段階では不透明です。しかし、看板があげられても何がどう変わるのか?ましてやこうした不安定な状況の中で全校区に既定路線かのように広げて行こうとするのはいかがなものでしょうか?コロナの感染対策で三密をさける学校にすること、子どもたちの学びと心のケアを保障すること、教員の多忙化解消に最も効果的なのは少人数学級です。国の中央教育審議会でも中間まとめで盛り込まれるなど、ようやく国も動き出しました。教職員を大幅に増やしすべての小中学校で少人数学級を進めるための真剣な検討こそ求められます。
そして行政のあり方として看過できないのが新図書館整備事業です。公共施設適正配置基本計画を策定した直後に、庁内で決定し、明らかにされることなく施設所有者との水面下の交渉がされていたことをはじめ、廃止とされた青少年ホームや図書館との複合施設としていた最も古い公共施設である南公民館についてはまったくその方向性も示さず、この図書館整備だけが、しかも多くの疑問や反対など懸念の声がある中で、駅前移転ありきで進められました。改修工事の設計委託業務などが予算に丸め込まれ既成事実がつくられました。この年度の計画が遅れている理由も移転先とする商業施設が非常に不安定な物件であり、その解決のために区分登記の費用など普通では考えにくい方法が提示され、そうした協議にも多大な時間と労力を要したからに他なりません。厳しい財政状況の中で緊急で切実な行政課題だと言えたのか?ましてや泉大津市参画及び協働の推進に関する条例の理念を逸脱したやり方であることが、まさに今、問われております。
国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療特別会計におきましては、国の制度設計の問題はありますが、保険料の負担増や制度の改悪が重ねられています。
とりわけ、国保会計は毎年度保険料が引き上げられて、市民と加入者に耐えがたい負担を強いています。この決算年度で黒字分の積み上げとなる基金ができました。加入者の負担軽減に生かすことを求めます。国保、介護については保険者として、後期高齢者医療制度においても広域連合の構成団体として、加入者、市民の生活実態を把握し、今後の運営に反映させるための一層の努力を求めます。保険があっても医療も、介護も受けられないという状態が既に生まれ、広がっています。
以上を申し上げ、認定第1号一般会計特別会計決算認定に反対とします。
認定第2号水道事業会計についてであります。
安心・安全の水の供給をどんな事態にあっても保障すると考えたとき、2次水源である泉北水道企業団の浄水場はなくてはなりません。廃止を前提とした規約改正が行われ、廃止に向けて進んでいます。過大な見積もりのまま老朽化したからという理由で、市民にまともな説明もなく強行されようとしていることはあってはならないことです。本市の水道事業にも多大な貢献をしてきた浄水場の廃止は、本市の将来にわたり禍根を残こすことになり抗議するものですが、昨年度の水道事業に関わる決算認定であり賛成とします。
認定第3号、病院事業会計についてです。
医療環境がますます厳しい中で、昨年度は大きな一時借入金を行い、財政状況がいっそう悪化しました。しかし、2015年度に一般会計からの繰り入れを行い収支改善したにも関わらず、その後、一般会計からの繰り入れを約9億円と定め、その時々の医療状況に応じた財政措置が取られていなかった事にも大きな要因があり、質問を行った医療機器の整備にあたるリース債務の減少などを見ると、十分な投資が出来ていなかったからで、設備や体制も十二分でなくという答弁にあったように、救急受け入れや入院患者の減少にも大きく影響を与えたと言わざるを得ません。
国の医療制度、診療報酬の改定のもと、自治体病院を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。今年度はさらに新型コロナ感染症という厳しい対応を迫られる状況の中で、奮闘し対応して頂いている医師や看護師、病院職員のみなさんには大変感謝をします。そうした病院スタッフを、将来の身分の保障が不安定な状況にさせてしまう計画が突然発表されました。どこでどう決まったのかもよく分からない事なども病院全体のモチベーションを引き下げ、過度なストレスを与えている訳です。
こういう中にあっても市民の命、健康を守るとりでとしての役割を果たしていただかなければなりません。コロナ感染症から市民を守るための最善の手立ては今現にある市立病院のもつ機能役割を最大限に生かすことです。市行政と一体となって感染症対策に取り組んでいただくこと、災害拠点病院としての役割を引き続き果たして行くことが求められています。
コロナ禍においてまさに医療状況がさらに激変、見通せない中において進められている地域医療連携構想はいったん止めるべきです。そして、2016年からのこの4年間、本来必要とした不足した資金を投入をしてこなかったことが会計悪化の大きな要因であり、必要な資金を一般会計から投入して収支改善をするべきです。必要な時に必要な資金を投入せず、収支悪化を招いた市の対応も大きな問題です。
よって認定第3号、病院事業会計は反対とします。
以上です。
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