一億総活躍どころか、一億総崩壊の危機…
昨年から話題になっていた本ですが、ようやく読んでいます
以前、生活困窮者自立支援法の学習会に参加した時に直接話を聞いたこともある、埼玉県にある「NPO法人ほっとプラス」の代表の藤田孝典氏の著書・・・
ケースワーカーとして多くの生活困窮者の支援をしてきた中で、様々な提言などをされています。
このタイトルの『下流老人』という言葉も筆者の造語・・・ちょっとどうなのかと引っかかるかもしれませんが、本屋に行くと「漂流社会」「老後破産」という言葉も並んでいます。
生活に困っている高齢者のひっ迫した生活とその裏側に潜む問題をあらわすことが目的の言葉だと・・・
私もこの5年間の相談活動の中で実感していることは、みんな「まさか自分がこんなことになるとは・・・」と言われます。誰も好き好んで大変になるわけではない。
そして、これは決して高齢者だけの問題ではないという事・・・
正規雇用の労働者なら、まあ年金はあるから大丈夫と思っていても・・・
親の年金が少ないことで、入院費が払えないうえに、介護の問題で離職・・・
子どもが正規雇用になれない、そして病気で働けない・・・
孫ができたが、その子の面倒を見ないといけない。
自分や連れ合いの病気などで働けなくなり、医療費が払えない・・・
これらのケースは本の中でも紹介されていますが、実際に私が相談を受けてきたケースでも・・・
様々なリスクがあるが、いざという時に本来助けてくれるはずの社会保障が機能していない・・・
そのことが一番の問題で、「自己責任」と「自己防衛」ではどうにもできない所まできてしまっている。
雇用状況が改善されなければ、今後も大量に年金が少なく生活できない人が生み出されていく・・・
医療と介護などの社会保障の抑え込みがさらにされれば・・・
格差と貧困の拡大、負の連鎖・・・消費税の増税、教育費の負担増でさらに拡大、抜け出せなくなっていく。
首相の言う『1億総活躍社会』などとはほど遠い状況・・・
『1億総崩壊』、わずかな大金持ち以外、誰もが下流になるおそれのある社会に向かっていると言っても過言ではない
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